Oberinの基礎 > Oberin はなぜ非公開ベータに逆戻りしたか
2003年7月現在の Oberin を取り巻く状況を、覚え書きとしてここに。逆戻りと言うのが適切かどうかは自信無し。
まず、すんごい基本的な事から。インターネットを介して多人数でプレイすることを主とするゲームのほとんどは、サーバが稼働していなければ遊べません。Oberin も例外ではなく、古いバージョンを持っててもサーバが対応していなければ何もできず、また最新のクライアントソフトウェアを持っていたとしても、登録しなければうんともすんとも言いません。現在、ゲームは限られたテスターのみが登録した状態の非公開ベータテスト中です。
さて、Mac OS 専用オンライン・ロールプレイングゲーム Oberin は、2001年より公開ベータ版として稼働を開始した(※ それ以前から非公開ベータとしては動いていたそうだ)。途中、プレイヤーの急増への対策として新規登録の制限がなされたものの、基本的には誰でも自由にテスターとして参加できる状態だった。プレイヤー同士でコミュニティが形成され、運営者主催のリアルタイムクエスト(RTQ)、プレイヤー主催のイベントも行われるなど、まぁ一応盛り上がっていた。
だが2002年11月、当時やや断続的になりつつあった稼働が完全に途絶えた。
開発運営者がサーバを停止させたのには理由があった。サーバに対してクラッキングが行われ不安定になり、データの改竄をされるなどの被害が発生したのが主な理由。また、そのセキュリティホールを修正するのと同時に Mac OS X にも対応した新バージョンを開発する事に注力するため、開発者がサーバを止めた方が良いと判断したのだそうだ。
明くる2003年2月、pre-beta と称した非公開ベータのテスターが人数制限付きで募集された。すぐに当落の通知は応募者に届き、んでもって oioi は落ちた。その後、非公開ベータは開始され、2003年7月現在も続いている。
通常、オンラインゲームのベータテストというのは、「非公開ベータ → 公開ベータ」はよくあるものの、その逆の、「公開ベータ → 非公開ベータ」はまず見かけない。それが Oberin では起きた。なぜか。
理由は開発体制にあると言っていいだろう。
一般的に、商用のオンラインゲームの公開ベータテスト段階は、試験運用中であるのはもちろんだが、無償で遊べる事を売りにユーザ層を広げる意味も大きい。正式版リリース時の課金開始により残るユーザは少数派だが、ベータという名の「お試し期間」によりそのベースとなる人数が増える事は確かだ。不具合を放っておいてつまらないゲームだと思われてはそのまま収益に響くから、充分なリソースを投入して早期に解決できるようになっているし、そもそもすでに主要なバグは潰し終えている場合もある(ここ想像)。
一方 Oberin は、実質ふたりの開発者と幾人かのボランティアによって、本業の片手間に開発されている。そのためと言っては何だが、アップデートの頻度も少なく、深刻なバグが見つかった際も即座に修正する事は難しい。そのため今回のように一旦稼働を停止せざるを得ない結果になったりする。非公開ベータに逆戻りしたのも、大きいバグを発見する効率を上げるためには適格な限られたテスターで試験するのが最良だという段階にまだこのゲームがあるという事に他ならない。
しかし、いずれまた Oberin の公開ベータは再開する、と運営ボランティアのゲームマスター Jinker 氏は明言している。ただ、それはいつになるかは定まってはいない、と。開発は少しずつながらも進んでいるらしいので、見守ってゆこう。公開ベータになった時のバージョン名は 0.1.8 が予定されているそうな。
で、oioi は以上のように理解しているわけですが、これでいいんでしょうか。いや、書いておかないと忘れそうだったもんで。ご指摘等ありましたらメールください。